【衝撃】トラウマ体験が恋愛関係を変える?

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「大きな災害や事故に遭ったあと、パートナーとの関係がギクシャクしてしまった」「大変な時期を一緒に乗り越えて、より絆が深まった気がする」といった経験や悩みはありませんか?大切な人が深刻なショックを受けたとき、二人の関係がどう変わるのかは大きな不安要素です。この記事を読めば、トラウマが恋愛関係に与える影響のメカニズムと、危機を絆に変えるための具体的な対処法が分かります。ケント州立大学のエマ・M・マーシャル氏らの研究レビューによって実証された、科学的な事実をお届けします。

今回のポイント

  • トラウマは関係を悪化させるだけでなく、絆を強めるきっかけにもなる
  • 関係の成否は、出来事そのものではなく「解釈」と「二人での対処法」で決まる
  • 相手のトラウマを理解し、お互いに支え合うことで「心理的成長」が伝染する
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対人関係の心理学理論を統合したDRTモデルによる検証

過去2年間の主要な研究データを包括的に分析

研究チームは、トラウマが既婚者や同棲中のカップルなど「大人の固定的な恋愛関係」に及ぼす影響を調べるため、近年の主要な論文をレビューしました。この分析に基づき、個人内のストレス理論と関係性科学の理論を組み合わせた「対人関係におけるトラウマへの反応(DRT:Dyadic Responses to Trauma)モデル」を提示しました。なお、パートナー間での暴力や、夫婦共通の悩み(子供の闘病など)は除外され、片方または双方が外部の出来事(災害、事故、戦闘など)から受けた影響に焦点を当てています。

身近な例で説明します。例えば、ある人が大地震に遭ったとします。このとき、心理学では状況を3つに分けて考えます。1つ目は地震そのものに遭遇したという「イベントへの暴露」、2つ目は家が壊れたり余震が続いたりする「ストレス要因」、3つ目はそれによって本人がイライラしたり落ち込んだりする「ストレス症状」です。この研究では、これらの要素がパートナーの思考や行動にどう伝染し、最終的に二人の関係性をどう変えるのかを追跡したデータを集めました。

トラウマ症状の強さと関係性の質を示す明確なデータ

PTSD症状は当事者だけでなくパートナーの満足度も低下させる

複数のメタ分析(過去の多くの研究を統合した信頼性の高い分析)により、PTSS(心的外傷後ストレス症状)が関係性の質を著しく低下させることが数字で裏付けられています。専門用語の心的外傷後ストレス症状とは、恐ろしい体験の記憶が突然よみがえったり、常に神経が張り詰めたりする心の拒絶反応のことです。研究データによると、この症状を持つ本人の関係満足度が下がるだけでなく、それを傍で支えるパートナー側の関係満足度も同様に低下することが示されています。

トラウマの状況や特徴 恋愛関係や心身への具体的な影響
夫婦の双方がPTSDを抱えている場合 二人の間の「関係調整機能」が著しく低くなる
PTSD症状を持つ退役軍人カップルの会話 議論の際、怒りや不安が激増し、収縮期血圧が急上昇する
体験後の「心理的成長(PTG)」がある場合 パートナーへの思いやりが増し、相手の心理的成長も促す

この結果をかみ砕くと、トラウマによるストレスは決して「本人の心の中だけ」の問題では終わらないということです。例えば、退役軍人の夫婦を対象とした実験では、日常の話し合いをするだけで、症状のないカップルに比べてお互いの怒りの感情が増幅し、血圧まで上がってしまうことが分かっています。つまり、トラウマのストレスが二人の間の空気をピリピリさせ、会話を攻撃的に変えてしまうのです。しかし一方で、被災後に「人生への感謝が増した」というようなポジティブな変化を遂げたカップルでは、お互いを思いやる行動が増え、良好な関係を保てるという明るい側面もデータとして出ています。

明暗を分けるのは「相手への理由づけ」と「サポート体制」

研究チームは出来事の解釈の仕方に着目

研究チームは、トラウマそのものが関係を壊すのではなく、それをどう捉えるかが重要であると推測しています。たとえば、トラウマを抱えた人が冷たい態度をとったとき、パートナーが「私への愛情が薄れたからだ(個人の性格や感情のせい)」と解釈すると関係は悪化します。しかし、「大変な体験をしてストレスが溜まっているからだ」とトラウマのせいにすることができれば、パートナーの結婚満足度は低下しないことが研究で確認されました。また、苦しい体験をどれだけ相手に打ち明けられているか(自己開示)や、お互いに助け合う共同対処が、関係を守る防壁になります。

ただし、今回のレビューの限界点として、集められたデータの多くが「1回限りの調査(横断的研究)」であるため、トラウマが先か関係悪化が先かという厳密な因果関係を完全に特定しきれていない部分があります。また、調査対象が軍人の既婚・異性愛者カップルに偏っているため、未婚のカップルや同性カップルなど、あらゆる関係性にそのまま当てはまるかについては、今後のさらなる研究が必要です。

困難を二人の絆に変えるための3つのアクション

  1. 異変を「性格」ではなく「ストレス」のせいにする
    パートナーが急に不機嫌になったり引きこもったりしたときは、相手の人間性を責めるのではなく、「トラウマや強いストレスのせいで一時的にそうなっている」と捉えることで、無用な衝突を防ぎ、自身のイライラを抑える効果があります。
  2. つらい体験や気持ちを小出しに共有する
    ショックな出来事があったときは、無理に隠さず少しずつ言葉にして相手に伝えることで、パートナーの誤解(自分のせいで怒っているという思い込み)を解き、お互いの信頼感を維持できます。
  3. 日常の小さな愚痴の段階から二人で対処する癖をつける
    大きなトラウマに対抗できるよう、日頃からお互いの悩みを「二人の共通の課題」として話し合う姿勢を持つことで、いざという時に機能する強固なサポート関係を構築することができます。

参考文献

Marshall, E. M., & Kuijer, R. G. (2017). Weathering the storm? The impact of trauma on romantic relationships. Current Opinion in Psychology, 13, 54-59.

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