2025年、アメリカのテキサス大学のウン・フー博士は、日常のテキストメッセージに「絵文字」を含めることが、二人の関係性にどのようなポジティブな変化をもたらすのかを解明するための実験を行いました。
私たちの生活に欠かせないLINEやメッセージアプリにおいて、絵文字が単なる飾りではなく、相手への「思いやり」を伝える強力なツールであることを科学的に証明したのです。
今回のポイント
- 絵文字を使うだけで、相手はあなたを「丁寧で反応が良い」と感じる
- 顔の絵文字だけでなく、記号や物の絵文字でも同様の効果がある
- この「反応の良さ」が、二人の親密度と関係の満足度を直接的に高める
260人を対象としたメッセージ実験
この研究では、アメリカに住む260人の男女(平均年齢37.32歳)を対象に、15パターンの親しい友人との会話シナリオを用いた実験が行われました。
参加者は「自分からメッセージを送った」と仮定し、それに対する友人からの返信を評価します。返信は以下の2つの条件のいずれかがランダムに提示されました。
1. テキストのみの返信(例:「おめでとう!今夜お祝いしよう」)
2. テキストに絵文字を加えた返信(例:「おめでとう!🎉 今夜お祝いしよう!😊」)
評価項目は、相手の「レスポンスの良さ(誠実さ)」、相手の「好感度」、「心理的距離(親密度)」、そして「関係の満足度」の4点です。これらを統計的な尺度を用いて厳密に分析しました。
「何を使うか」より「使うこと」が重要
驚きの数値:反応の良さが24%アップ
実験の結果、絵文字を含むメッセージを受け取った参加者は、テキストのみの場合に比べて、相手を圧倒的に「レスポンスが良い(Responsiveness)」と評価しました。
具体的には、5点満点中の評価で、絵文字なしが3.57点だったのに対し、絵文字ありは4.43点という高いスコアを記録しました。これは統計学的にも非常に大きな差です。
顔以外でも効果は同じ
特に興味深いのは、笑顔やハートなどの「顔の絵文字」と、キラキラや食べ物などの「顔以外の絵文字」を比較した結果です。
研究チームは、より感情が伝わりやすい顔の絵文字の方が効果が高いと予想していましたが、実際には「どのタイプの絵文字を使っても、相手に与えるポジティブな影響はほぼ変わらない」ということが判明しました。
つまり、特定の絵文字を選ぶことに神経質になる必要はなく、「絵文字を添える」という行為自体が、相手に対して「私はあなたのメッセージに丁寧に向き合っています」というシグナルとして機能しているのです。
愛を深めるための「1個の絵文字」活用術
この科学的発見を、あなたの日常生活や恋愛にどう活かすべきか。具体的なアクションプランを提案します。
1. 「迷ったら1つ添える」を習慣にする
返信の内容に迷ったり、忙しくて短い文章しか送れなかったりするときこそ、文末に絵文字を1つ追加しましょう。それだけで、相手が感じるあなたの「冷たさ」や「そっけなさ」を解消し、丁寧な印象を与えることができます。
2. 凝った絵文字でなくてもOK
「この絵文字は重すぎるかな?」と悩む必要はありません。研究データが示す通り、キラキラ(✨)やチェックマーク(✅)、あるいは食べ物のアイコンであっても、あなたの「反応の良さ」は十分に伝わります。自分の使いやすい定番を決めておくと良いでしょう。
3. 感情のトーンを合わせる
唯一の注意点は、テキストの内容と絵文字の感情を一致させることです。今回の研究でも、ポジティブな内容にはポジティブな絵文字を、という「一貫性」が前提となっています。不自然な組み合わせは避け、素直な感情を記号に託しましょう。
たった1秒で入力できる絵文字が、二人の親密度を20%以上も底上げしてくれるなら、使わない手はありませんね。さあ、今すぐ大切なあの人に、小さなアイコンを一つ添えてメッセージを送ってみましょう。
あなたが思っている以上に、相手はあなたの「温かさ」を感じ取ってくれるはずです。ただし、仕事の深刻なミス報告に笑顔の絵文字を添えるのだけは、科学的にもお勧めしませんが。
参考文献
Huh, E. (2025). The impact of emojis on perceived responsiveness and relationship satisfaction in text messaging. PLoS One, 20(7), e0326189. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0326189


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