ネットでの出会いは離婚率が低く満足度が高い

シカゴ大学の研究チームが2013年6月、現代の結婚に関する驚くべき調査結果を発表した。

かつて、インターネットでの出会いは「怪しい」「不誠実」といったレッテルを貼られがちであった。しかし、データは真逆の事実を示している。

研究チームは、2005年から2012年の間に結婚した約2万人のアメリカ人を対象に大規模な追跡調査を実施した。

その結果、オンラインで出会ったカップルは、オフラインで出会ったカップルよりも離婚率が低く、結婚満足度が高いことが判明したのだ。

私たちの直感に反するこの現象は、一体何を意味しているのだろうか。

今回のポイント

  • 1万9000人超の既婚者を対象とした大規模調査を実施
  • ネットでの出会いは離婚率が低く満足度が高いと判明
  • 職場や合コンでの出会いは満足度が低い傾向にある
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1万9000人を対象とした大規模調査

結婚の幸福度や持続性を科学的に検証することは困難である。個人の主観や環境要因が複雑に絡み合うからだ。

しかし、シカゴ大学の心理学部を中心とした研究チームは、統計学的な手法を用いてこの課題に挑んだ。

全米を代表するサンプルデータ

研究チームは、アメリカ国内に居住する「2005年から2012年の間に結婚した」1万9131人を対象とした。

参加者の平均年齢は約37歳。人種、収入、教育レベルなどは全米の人口統計を反映するように調整されている。

これは、単なる「ネット利用者のアンケート」ではなく、社会全体の縮図としての信頼性を担保するための措置だ。

出会いの場所と「結末」の相関

調査では、以下の項目を詳細に聴取した。

まず、配偶者とどこで出会ったか。「オンライン(デートサイト、SNS、チャットなど)」か「オフライン(職場、学校、友人、バーなど)」かを分類する。

次に、現在の結婚状況である。離婚や別居に至っているか、それとも結婚生活を継続しているかを確認した。

そして、結婚継続者には「結婚満足度尺度(CSI)」という心理学的指標を用いて、関係の質を数値化した。

研究チームは、これらのデータに対し、年収や学歴といった人口統計学的要因の影響を取り除く統計処理(共変量調整)を行った。

つまり、「ネットを使う人は高学歴で高収入だから離婚しないだけではないか」という反論をあらかじめ封じた上で、純粋な「出会いの場所」の影響を抽出したのである。

職場恋愛よりもネット婚活が優秀

分析の結果は、従来の「ロマンチックな出会い」の神話を解体するものとなった。

離婚率はネット経由の方が低い

期間中に結婚生活が破綻(離婚または別居)した割合を比較すると、明確な差が現れた。

オフラインで出会ったカップルの破綻率が7.67%であったのに対し、オンラインで出会ったカップルは5.96%にとどまったのだ。

これを相対的なリスクとして計算すると、オンラインでの出会いはオフラインに比べて、結婚破綻のリスクが約25%低いことになる。

この差は、年齢や性別、収入などの要因を調整した後でも統計的に有意(偶然ではない)であることが確認された。

結婚満足度における逆転現象

結婚満足度(7点満点)においても、オンライン組(平均5.64点)はオフライン組(平均5.48点)を上回った。

点数差はわずかに見えるかもしれないが、統計学的には非常に意味のある差だ。

さらに興味深いのは、オフラインの出会いの内訳である。

「学校」や「宗教施設」、「幼馴染」との結婚は比較的満足度が高かった。

一方で、「職場」「バーやクラブ」「合コン(お見合い)」での出会いは、満足度が平均よりも低いことが判明した。

特に「仕事関係」での出会いは、私たちが想像するほど堅実な結果をもたらしていないようだ。

なぜネットの方がうまくいくのか

この結果から、私たちはどのような戦略を立てるべきだろうか。

「選択肢の多さ」が鍵

研究者は、オンラインでの成功要因として「選択肢のプールが大きいこと」を挙げている。

職場や友人関係という限られた範囲で妥協するのではなく、膨大な候補者の中から、自分と価値観や性格が適合する相手を能動的に選別できる。

また、対面する前にメッセージ交換を行うことで、外見的な魅力に惑わされず、内面的な自己開示が進みやすいという側面もある。

事前のスクリーニング機能が、結婚後のミスマッチを防いでいる可能性が高い。

オフラインなら「共有体験」を重視せよ

もちろん、全てのオンラインが良いわけではない。チャットルームや仮想空間での出会いは、デートサイトでの出会いに比べて満足度が低い傾向にあった。

重要なのは「目的の一致」と「スクリーニング」だ。

もしオフラインで探すなら、職場やバーのような「たまたま居合わせた場所」ではなく、学校や趣味の集まりといった「価値観や背景を共有できる場所」を選ぶべきだ。

「自然な出会い」に固執して狭い世界で相手を探すことは、統計的に見ればリスクの高い賭けと言える。

現代において、スマホでパートナーを探す行為は、最も合理的で安全な生存戦略なのかもしれない。

ロマンスの神様は今、クラウドサーバーの中に住んでいるようだ。

参考文献:
Cacioppo, J. T., Cacioppo, S., Gonzaga, G. C., Ogburn, E. L., & VanderWeele, T. J. (2013). Marital satisfaction and break-ups differ across on-line and off-line meeting venues. Proceedings of the National Academy of Sciences, 110(25), 10135–10140.

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