恋愛依存の理由は親にある?大学生596人の調査で判明した男女別の傾向

北海道教育大学旭川校の岡田みゆき氏らの研究チームは、大学生の恋人への依存性と親子関係の関連について調査結果を発表しました。

「彼氏や彼女がいないと生きていけない」といった過度な依存は、自分だけでなく相手も苦しめてしまうことがあります。

この記事では、なぜ人は恋人に依存してしまうのか、その背景にある親子関係の影響について、最新の研究データを元に詳しく紐解いていきます。

恋愛依存とは、特定の相手がいないと生きていけないと感じる過度な心理的執着や行動パターンのことです。

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参考文献

岡田みゆき・大橋裕子 (2020). 恋人への依存性と親子関係との関連性. 日本家政学会誌, 71(10), 673-679.

今回のポイント

  • 大学生の恋愛依存は「信頼」「分離不安」「独立」「期待」「従属」の5つに分類される
  • 男子学生は親への依存が強いと、恋人に対しても盲目的に従うなどの「不適応な依存」に陥りやすい
  • 女子学生は親子関係が自立していても依存していても、恋人と良好な信頼関係を築きやすい

教員養成系大学の学生596人を対象とした質問紙調査

研究チームは、北海道内の教員養成系大学に通う2年生から4年生のうち、現在恋人がいる、または過去にいたことがある596名(男子323名、女子273名)を対象にアンケートを行いました。

調査では、先行研究を参考に作成された「恋人への依存性」を測る30項目と、「親子関係」を測る19項目の質問に、5段階で回答してもらう形式をとっています。

得られたデータは、因子分析(複雑なデータの中から共通する要因を見つけ出す統計手法)を用いて解析されました。

恋愛における5つの依存スタイル

分析の結果、大学生の恋愛依存には以下の5つの要素があることがわかりました。

要素名 特徴
信頼 恋人と触れ合ったり思い出したりすると安心する
分離不安 嫌われたくない、離れたくないという不安が強い
独立 恋人に甘えたり頼ったりするのが苦手
期待 心配してほしい、気持ちをわかってほしい
従属 恋人の意見を聞きたい、従いたい

親への依存が恋人との関係に与える影響(数値データ)

研究では、親との関係が「依存的」か「自立的」かが、恋人との関係にどう影響するかを重回帰分析(複数の要因から結果を予測する統計手法)で調べました。

男子学生:親への依存が「従属」や「不安」を加速させる

男子学生の場合、親子関係が依存的であると、恋人に対しても強い依存傾向を示すことが明らかになりました。

特に、恋人の意見に盲目的に従おうとする「従属」への影響(標準偏回帰係数 β=0.21, p < 0.001)や、嫌われることを極端に恐れる「分離不安」(β=0.18, p < 0.01)に有意な正の影響が見られました。

つまり、親に依存している男子学生は、恋人に対しても「自分の意志を抑えて尽くしすぎる」不適応な関係を築きやすい傾向があります。

女子学生:自立していても依存していても「信頼」を築ける

一方で女子学生は、親と「依存的」な関係であっても「自立的」な関係であっても、恋人との「信頼」関係を築く力があることが示されました。

親子関係が自立的であれば「信頼」が高まり(β=0.20, p < 0.01)、依存的であっても「信頼」(β=0.16, p < 0.01)と「期待」(β=0.16, p < 0.01)の両方に正の影響がありました。

女子学生は親との関係がどうあれ、適応的な依存(健康的な甘え)を恋人と築きやすいといえますが、親への依存が強すぎると恋人に対して「察してほしい」という期待が過剰になる可能性も示唆されました。

なぜ男女でこれほど差が出るのか?研究チームの考察

研究チームは、この男女差の背景に、成長過程における人間関係の広がり方が影響していると推測しています。

先行研究では、男子学生は母親からの影響を強く受け続ける傾向があるのに対し、女子学生は友人など親以外の社会的な繋がりからも大きな影響を受けることが指摘されています。

このため、女子学生は親との関係がどうであれ、他の人間関係から「付き合い方」を学び、恋人と安定した関係を築くスキルを身につけている可能性があります。

研究の限界として、今回は特定の大学における一時点の調査であるため、年齢や環境が変わった場合にどう変化するかは今後の課題とされています。

今の恋愛をより良くするためにできること

この研究結果を日常生活に活かすためのヒントをまとめました。

1. 男性の場合:自分の意見が消えていないかチェックする
もしあなたが親に頼り切りの自覚があるなら、恋人の顔色を伺いすぎていないか立ち止まって考えてみましょう。自分の意見を少しずつ伝える練習をすることで、盲目的な従属から抜け出し、より対等で幸せな関係を築けるようになります。

2. 女性の場合:「言葉」で伝える意識を持つ
親との仲が非常に良い人は、恋人に対しても「言わなくてもわかってくれるはず」という期待を抱きがちです。相手は親とは別人であることを認識し、自分の望みを具体的な言葉にして伝えることで、すれ違いを防ぎ信頼を深めることができます。

3. 共通:親との距離感を客観的に見直してみる
恋愛で苦しさを感じたときは、一度親との距離感に目を向けてみてください。親を「一人の人間」として認め、自立した関係を目指すことが、結果としてパートナーとの健全な支え合いに繋がっていきます。

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