婚活成功の秘訣とは何か?それは、結婚意欲の高い人が集まるオンラインの場を活用して自己開示することです。
近年、マッチングアプリや婚活サイトを利用してパートナーを探す人が増えています。しかし、インターネットを通じた出会いに対して「本当に長続きするのか」「自然な出会いの方が幸せになれるのではないか」と不安を抱く人も少なくありません。
そんな中、アメリカのシカゴ大学の研究チームは、オンラインで出会って結婚した夫婦は、職場や友人からの紹介といったオフラインで出会った夫婦に比べて、離婚率が低く結婚の満足度が高いと発表しました。
この記事では、大規模な調査データに基づいて、なぜオンラインの出会いが結婚生活の成功に結びつきやすいのかという心理学的な理由と、婚活に必要なことを科学的な視点から解説します。
今回のポイント
- オンラインで出会った夫婦は離婚率が有意に低い
- オンラインの出会いの方が結婚生活の満足度が高い
- 文字でのやり取りが自己開示を促し、内面の相性を見極めやすくする
約2万人を対象とした結婚の満足度と離婚率の大規模調査
シカゴ大学の研究チームは、現代社会における出会いの場が結婚後の関係にどのような影響を与えるのかを明らかにするため、大規模なアンケート調査を実施しました。
調査の対象となったのは、2005年から2012年の間に結婚したアメリカの成人男女19,131人です。これだけ多くの人々を対象にすることで、一部の偏ったデータではなく、社会全体の傾向を正確に把握することができます。
研究チームは、参加者に対して配偶者とどこで出会ったかを質問しました。出会いの場所は、出会い系サイトやSNSなどの「オンライン」と、職場や学校、友人の紹介などの「オフライン」に分類されました。そして、現在の婚姻状態(結婚を継続しているか、離婚・別居しているか)と、結婚生活に対する満足度を測定しました。
結婚生活の満足度は、愛情の深さやコミュニケーションの質などを評価する複数の質問項目のスコアを用いて評価されました。さらに、年齢、性別、収入、教育水準といった結果に影響を与える可能性のある要因を統計的に調整し、純粋な出会いの場所による違いを分析しています。
オンラインでの出会いは離婚率が低く結婚満足度が高い
調査の結果、全体の約35パーセントにあたる人々がオンラインで配偶者と出会っていたことがわかりました。そして、出会いの場所によるその後の関係性を比較したところ、非常に興味深いデータが得られました。
まず、結婚生活が破綻して離婚や別居に至った割合を確認すると、オフラインで出会った夫婦の破綻率が7.67パーセントであったのに対し、オンラインで出会った夫婦の破綻率は5.96パーセントにとどまりました。これは統計的に明らかな差であり、オンラインでの出会いの方が結婚が長続きしやすいことを示しています。
さらに、結婚生活を継続している夫婦の満足度についても比較が行われました。満足度は7点満点で評価されましたが、オフラインで出会った夫婦の平均スコアが5.48点であったのに対し、オンラインで出会った夫婦の平均スコアは5.64点でした。
数値の差自体は劇的に大きいわけではありませんが、一万人規模のデータにおいてこの違いが出たことは、偶然ではなく意味のある差です。つまり、オンラインで出会った夫婦の方が、より幸せな結婚生活を送っている傾向があると言えます。
オンライン婚活が結婚の成功に結びつきやすい心理学的理由
なぜオンラインでの出会いが、より良い結婚生活をもたらすのでしょうか。研究チームは、いくつかの心理学的・社会学的なメカニズムが働いていると推測しています。
結婚意欲の高い人々が集まる環境
第一の理由として、婚活サイトやマッチングサービスの利用者は、そもそも結婚や長期的な関係を求める意欲が高いことが挙げられます。職場やバーでの出会いでは、相手が現在恋人を探しているのか、結婚願望があるのかはわかりません。しかし、オンラインの婚活市場では目的が一致しているため、効率的で真剣なパートナー選びが可能になります。
テキストベースの交流が促す自己開示
第二の理由として、オンライン特有のコミュニケーション方法が挙げられます。研究チームは、対面での会話よりも、文字を通じたやり取りの方が自己開示を促しやすいと指摘しています。
自己開示(じこかいじ)とは、自分の本当の感情や価値観、過去の経験などをありのままに相手に伝えることです。人は対面だと緊張したり外見を気にしたりして、本音を話しにくいことがあります。
しかし、文字ベースのやり取りから関係をスタートさせることで、外見よりも相手の内面や価値観に焦点を当てやすくなります。その結果、お互いの深い部分を理解し合った上で実際に会うため、長期的な相性が良いパートナーを見つけやすくなると考えられます。
オンライン婚活後の関係を深めるために
この研究を知った皆さんは、「オンラインでの出会いが有利なのはわかったが、実際にマッチングした後はどのように関係を深めればいいのか」と疑問に思うかもしれません。データが示す通り、オンライン婚活の強みは「価値観のすり合わせ」にあります。
したがって、メッセージのやり取りの段階で、趣味や休日の過ごし方だけでなく、仕事への価値観や将来の理想の生活像などについて少しずつ話題に出してみることをお勧めします。表面的な会話だけでなく、自分の弱い部分や悩みを少し共有してみることで、相手の誠実さを見極め、強固な信頼関係を築く第一歩となるでしょう。
ただし、この研究には限界点もあります。インターネットの利用環境やマッチングサービスの質は時代とともに変化しており、すべてのオンラインサービスが安全で効果的であるとは限りません。利用するプラットフォーム選びには十分な注意が必要です。
婚活に必要なこととは、自分に合った出会いの場を選び、相手の内面と向き合うことです。科学的データは、オンラインというツールがその強力なサポートになることを示しています。
【参考文献】
Cacioppo, J. T., Cacioppo, S., Gonzaga, G. C., O’Malley, E. L., & VanderWeele, T. J. (2013). Marital satisfaction and break-ups differ across on-line and off-line meeting venues. Proceedings of the National Academy of Sciences, 110(25), 10135-10140.


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